くまもと青明病院 熊本内科病院
  フォレスト熊本

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薬は進化しています
 
薬剤科主任 吉村絵美
 
 次々に新薬が開発され、薬の選択肢は、どんどん広がっています。
これらの薬は全て、莫大なお金と時間、そして最先端の頭脳や研究者たちの地道な努力によって、生まれてきた薬たちです。これら新薬の登場で、私達は自分の病気やライフ・スタイルに合わせた治療を『選択する』ことが、可能になってきています。
これから、薬の最新情報や世の中の流れ、今後の展望など、シリーズでご紹介させて頂こうと思っています。便秘薬・認知症の薬・痛み止め・インフルエンザの薬・・・・・などなど。今回は、春ということもあり、花粉症の薬をご紹介したいと思います。
 花粉症の薬は、アレルギー反応を抑える抗アレルギー剤が主流といえます。抗アレルギー剤は、アレルギーの主要な伝達物質である「ヒスタミン」の邪魔をする抗ヒスタミン剤、ヒスタミン以外の化学伝達物質の邪魔をするロイコトリエン拮抗薬、炎症そのものを取るステロイド剤などに分けられます。
 抗ヒスタミン剤は、昔から使用されている代表的なくしゃみ・鼻水止めの薬です。「飲めばすぐに効く」薬ですが、眠気が強いと言う欠点がありました。しかし、最近では、眠気の副作用を少なくした「眠くならない」タイプや、「1日1回飲めば効く」効果の長いタイプが広く使われています。さらに、出てしまったヒスタミンを押さえるのではなく、ヒスタミンが出るのを防ぐ、すなわち予防効果のある薬も出ています。予防効果を期待するには、花粉の飛び始める2週間前から飲み始めると予防効果があるといわれています。昨年、この新しいタイプの薬がドラックストアでも購入できるようになり、話題となりました。
 「鼻づまり」もやっかいな症状ですが、抗ヒスタミン薬では効果がありません。鼻づまりの原因物質は、「ロイコトリエン」という伝達物質。花粉に曝されると細胞はたくさんのロイコトリエンを産生・放出します。その結果、鼻の奥の粘膜は腫れ上がり、「鼻づまり」を起こします。この働きを抑えるのが抗ロイコトリエン拮抗薬です。この薬は、効果が出るまでに1~2週間程度かかりますが、副作用が少なく安全性が高いという利点があります。
 このほか、レーザーで鼻粘膜を焼く治療法や、ソムノプラスティと言われる高周波電子凝固法、SILT法とよばれる減感作療法など、外科的な最新治療も登場しています。根本的治療で家庭でも治療できる利点がありますが、自費診療のため治療費がかかること、日本では治療例数が少なく安全性が確保できないこと、治療できる医療機関もまだまだ少ないという欠点もあります。
 今後も増え続けるであろう「花粉症」。自分にあったより良い予防法・治療を選び、少しでも爽やかな春風を感じていただきたいものです。

 
 
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